トラライフのコラム 2005年3月1日
2005年2月2日 キャンプが始まりました 2005年4月1日 阪神甲子園球場の誕生
トラライフのコラム 目次

藤村富美男の引退興行試合

トラライフです。
初代ミスター・タイガース、藤村富美男選手が現役を引退したのは1958年のことでした。タイガース創設から23年間、阪神一筋の野球生活を経て、11月30日に引退を発表。その背番号「10」は阪神で初めての永久欠番となっています。
翌年1959年3月2日、阪神甲子園球場で藤村富美男の引退興行試合が行われました。巨人を迎えてのオープン戦です。当初予定されていた日曜日の試合が雨で流れたために、月曜日の試合となりましたが、それでも3万人の観衆を集め華々しく行われました。
試合は序盤に、浅越のホームランや藤本のヒットなどで7点を先取。4回に長嶋の2ランで2点を取られたものの、大量5点をリードしたまま5回に、藤村が登場し一塁の守備につきました。6回、二塁にランナーをおいて藤村に打順が回りますが、結果は一塁ファウルフライに終わっています。
実は藤村が引退を表明する少し前に、野球の神様こと巨人・川上哲治も現役を引退しています。同じ時代に日本のプロ野球を支えた二人が時を同じにして現役を退いたわけですが、以前、藤村が三塁から一塁にコンバートされ気落ちしていた際に、川上がファーストミットをプレゼントして元気付けるなど、二人は良きライバルでありながら、良き仲間でもあったようです。この藤村の引退試合にも5回裏、既に現役を引退した川上がファーストミットを持って一塁の守備についています。
またこの試合では、この年の期待のルーキー・村山実投手がマウンドに上がっています。2回を投げ打者7人と対し、許した安打は1本で、0点に抑える見事な投げっぷりを披露しました。初代ミスター・タイガースの引退試合に、次代を担うミスター・タイガースが見事なデビューを飾っているのも、偶然なのか必然なのか、なんだか不思議な感じがします。
トラライフでは、藤村富美男選手をはじめ、長い歴史の中でタイガースを支えてきた英雄たちについて、今後もっと調べてみたいと思っています。